「サイトのUX(User Experience)改善をしていきたい」と日々考えている方は多いはず。ここでは、そんなサイトのユーザー体験を高めたい方に向けて、サイトページがユーザーに与える付加価値に対する2つのアプローチ方法を解説します。
UX(User Experience)の2大要素
UXとは直訳すると“ユーザー体験”になりますが、実際のところは“サイトページがユーザーに与えられる高付加価値”と考えるべきです。つまり、UX改善はその付加価値をどれだけ高められるかが大切なのです。
ちなみにUI(User Interface)とUXを混同して考えてしまっている方がいますが、UIはUXの一部になりますので、覚えておきましょう。つまり、UXの改善は非常に幅が広いということになります。UX改善は情報内容度と情報提供度、この2つの要素からアプローチしていきましょう。
【UXの2つの要素】
・情報内容度:事業内容、サービス内容、文章内容 等
・情報提供度:ページの読み進めやすさ、表示速度、UI(デザイン、構成、設計) 等
①情報:事業内容、サービス内容、文章内容 等
「事業やサービスから見直す必要があるの?」と驚いた方もいるでしょう。実はその通りなのです。例えば、企業サイトなら事業サービス自体ですし、Webマガジンなら記事内容、レシピサイトならレシピ情報自体の見直しが必要になります。なぜなら、そのサイトページの情報や提供するサービスがよくないものだと、ユーザーにとって価値のある情報にはならないからです。
また、Webサイトの文章内容も非常に重要な要素になります。サイトによってあるべき内容は変わってきますが、企業サイトの場合にはどうしても自社サービスの案内に特化してしまいがち。運営者が伝えたい内容だけではなくて、ユーザーが何を知りたいかを考えて見直す必要があります。
②情報提供度:ページの読み進めやすさ、表示速度、UI(デザイン、構成、設計) 等
情報そのものの見直しとともに重要なのが、その情報をWebサイトでどのように提供しているかです。サイト内の回遊しやすさや、サイトページの表示速度にストレスはないか、UIの見直し等……、情報提供度についても多くの改善ポイントが挙げられます。
UX改善のためのアプローチ方法
それではUXを改善するための具体的な方法を紹介していきます。ご自身のサイトの場合にはどの方法が適しているのかを考えながらチェックしてみてください。
■情報内容度の見直し
・3C分析
■情報提供度の見直し
・ヒューリスティック分析
・ユーザビリティテスト
・解析ツール(ヒートマップツール・EFOツール・LPOツール 等)
情報内容度の見直し:3C分析
まずは事業サービス自体やWebサイトのコンテンツ自体を分析したい場合、3C分析をしてみると分かりやすいでしょう。
Customer・Competitor・Companyの要素それぞれの強み・弱みを考える分析方法です。事業サービスの見直しはもちろん、コンテンツの分析の際にも使えます。自社サイトのコンテンツ・競合サイトのコンテンツ・ユーザーが求めているもの、という視点から分析していくわけです。
情報提供度の見直し:ヒューリスティック分析
次に、情報提供度の見直しをする方法として有名なのは、ヒューリスティック分析。ヒューリスティック分析とは、経験則に基づいてWebサイトを確認し、サイトの課題点を発掘する分析方法です。比較的少人数でおこなうことができて、分析にも時間がかからないのが特徴になります。
ヤコブ・ニールセンが考えた下記の10原則に従って自社サイトと競合サイトをチェックすると、サイトの強み・弱みが見えてくるはずです。
「ヤコブ・ニールセンのユーザビリティ10原則」
参照元:10 Usability Heuristics for User Interface Design
1.システム状態の視認性(Visibility of system status)
ユーザーがシステムの状態を目で見てわかる。
例)「50%読み込み中」の表示 等
2.システムと現実世界の親和性(Match between system and the real world)
専門用語ではなく、現実世界で使われている言葉が使用されている。
3.ユーザーのコントロール性・自由度(User control and freedom)
ユーザーが操作エラーを起こした際に、操作がしやすい。
例)「1つ前に戻る」機能 等
4.一貫性・標準化(Consistency and standards)
同じ機能であれば名称やデザインに一貫性を持たせ、ユーザーの混乱を招かない。
5.エラー防止(Error prevention)
操作エラーをしづらいデザインになっている。
6.記憶を必要としない認識しやすさ(Recognition rather than recall)
ユーザーが情報を記憶しなくてもいいように、見ただけでわかるデザインになっている。
7.柔軟性・効率性(Flexibility and efficiency of use)
新規ユーザー/リピーターそれぞれが操作しやすいデザインになっている。
例)初心者向けの「使い方ガイド」、リピーター向けの「おすすめページ」 等
8.最小限の美しいデザイン(Aesthetic and minimalist design)
不要な情報や機能を含まないシンプルなデザインになっている。
9.ユーザーによるエラー認識・診断・回復のサポート(Help users recognize, diagnose, and recover from errors)
エラーの原因・解決策がわかりやすく記載されている。
10.ヘルプ・ドキュメント(Help and documentation)
ユーザーが検索・確認がしやすいヘルプ・説明文書が用意されている。
ただ、ヒューリスティック分析は確認する人の経験則に頼った方法になります。1人で分析をおこなうと、気づきが限られてしまう可能性があります。Webに詳しい人に声をかけて、複数人で分析をするのがおすすめです。
情報の見直し:ユーザビリティテスト
ユーザビリティテストも重要です。これはターゲット層にWebサイトについてアンケート調査をする方法になります。この場合、気をつけるべき点としては、テスト項目を絞ること。せっかく調査をするからといって詰め込みすぎるのはよくないです。ユーザーが答えてくれなければ成り立たないアプローチ方法なので、確認事項を明確化したうえで実施しましょう。
情報の見直し:解析ツール(ヒートマップツール・EFOツール・LPOツール 等)
最後に紹介するのが解析ツールを利用する方法です。例えば、Webページでユーザーがよく見ている範囲を色の濃さで示してくれるヒートマップツール。また、エントリーフォームでの離脱率等を可視化してフォームを最適化するEFO(エントリーフォーム最適化)ツールや、ランディングページの内容を入れ替えて検証をするLPO(ランディングページ最適化)ツール等があります。各種ツールを利用することによって、サイトのどこにユーザーがストレスを感じているか明確になるでしょう。ただし、解析ツールはあくまで自社サイトの改善のために導入するものなので、ヒューリスティック分析やユーザビリティテストとは異なり、競合比較が薄くなってしまいがちなので、そこは注意しましょう。
検証をするには仮説が不可欠
ここまでUX改善のためのアプローチ方法を紹介してきましたが、こういった検証をするには、仮説があることが大前提。Webサイトでいうと、“ターゲットユーザーが想定できているか”という点になります。例えば、お年寄り向けのサイトであればフォントサイズは大きいほうがよいでしょう。専門家向けのマニアックなサイトであれば、専門用語を使って書かれた文章のほうが回りくどくなくて好まれますし、逆に初心者向けのサイトであれば専門用語もわかりやすく説明してくれていないと内容が伝わらないはず。
つまり、自分のサイトはどうあるべきか!という仮説がないと、ユーザーに高付加価値を与えられているかも測りようがないということです。
ターゲットユーザーを具体的に想定する手法の1つに、“ペルソナ手法”というものがあります。自分たちのサイトページを届けたい対象者を、○○な人という漠然とした範囲ではなくて、具体的な1人に想定をするわけです。これをおこなうことで、その対象者が満足してくれるサイトページはどんなものかが具体的に考えやすくなります
ペルソナは年齢・性別・住んでいる地域・趣味嗜好はもちろん、よく見るTV番組や好きなブランド、恋人の有無等、とにかく細かく想定をするのがポイントです。
以上、ここまでUXの改善について見てきました。UXを改善することの重要性やアプローチ方法についてはご理解いただけたと思います。
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